チョコクロワッサン日記11

ビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を知ったのは中学2年の時。学校の音楽の授業で聴いたのが最初だった。

中学2年の時の音楽の先生は、その年の春に大学を卒業して先生になったばかりの女性だった。当時の中学校のクラスはどこもやんちゃで、相手が若い女の先生ともなるとまったく言うことは聞かず、かなり舐めた態度で授業もまともに聞いていなかった。

そんなある日、この先生が1枚のレコードを持ってきた。それが「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」のシングル(B面は「ペニー・レーン」)で、この曲を始めとする「ポール死亡説」について語ってくれた。

そして曲のフェイドアウト直前には何者かの声で “I buried Paul(ポールを埋葬した)”と言ってるのが聞こえると教えてもらい、みんなでこの曲を聴いた。この時ばかりはみんなちゃんと授業を受けていたのを覚えている。みんなして気味の悪い曲だと言ってたが、俺は興味津々だった。

今では “I buried Paul” ではなく “Cranberry sauce(クランベリーソース)”と言ってるのも、それを言ってるのがジョンであることも知ってるし、ポール死亡説なんてデタラメであることも知っている。

しかしそれまで主に初期の曲しか知らなかったビートルズの「暗い」部分を知り、そこから中期~後期の彼らに大いに興味を持った。そのきっかけは何かと言ったらこの音楽の授業で聴いた「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」であることは間違いない。

レコードを聴いたという事以外では相変わらずみんなちゃんと授業を受けず、俺たちの学年全体がそんな空気で先生にはかなり迷惑をかけた。当時は何とも思わなかったけど、いまになってどうしょうもねえなと心の底から思う。

そんなことを振り返ってみて、いまさらながら先生にはお礼を言いたい。あの時授業で「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を教えてくれたことを。先生は結局1年で辞めてしまったみたいで、もはやそんなことは忘れているかもしれないし、俺のことなんてもちろん覚えている訳はないだろう。だけど、あなたが教えてくれた1曲のおかげで、今では重箱の隅をつつくようなビートル好きになってしまっています。

たしか樋口先生といったな。