レコード・コレクターズに対する不満を言いたくなる気持ちはよく分かる

レコード・コレクターズ

写真は俺の本棚にあるレコード・コレクターズの最新の号が入っている一角である。

俺がレココレを買うようになったのは1988年だったかその辺で、トッド・ラングレンの特集号からだった。最初は気になる号だけだったけど、すぐに毎月買うようになっていて、90年代と00年代はほぼ毎月買っていた。

それが2010年を過ぎた辺りから買う頻度がグッと減り、写真を見れば分かるかもしれないが、2014年と2015年にいたってはまったく無い。以降も年に2回ぐらい買えばいい方となった。

その理由としてはいくつかあるが、全体的にネタ切れ感が強くなったのと、いつまでもビートルズやツェッペリンやストーンズに頼った特集(ええ、ビートルズも特集によっては買いますがね)、そして何かのボックスセットが出た時の提灯記事のようなタイアップぶりにウンザリしたからだ。

オールド・ロックを取り上げた方が売れるのだろうけど、90年代ですら20年前なんだから、例えばベックとかレディオヘッドなんかを前面にした特集をしても良いんじゃないのって思うんだけどね。JSBXなんてプッシー・ガロアも含めて特集しがいがあると思うんだけどさ。

まあ、別に今回はそういう俺の愚痴を言いたいわけでなく、たまたまAmazonでレココレのカスタマーレビューを見ていたら、すごいのを見つけてしまってね。ちょっと引用させてもらいますよ。

この雑誌を20年以上定期購読している。一枚のアルバム、単一のバンド、グループを徹底的に掘り下げてこれでもかといったレアな情報を届けてくれていた。ロック、ソウル、R&Bの事典的な役割も十分果たしていると思っていた。執筆陣も、時間をかけて丁寧な調査、研究をしていたと思う。 この雑誌に触発されて購入したレコード、CDは数知れず、現在の所有枚数は優に4000枚を超えている。硬派で洋楽専門の数少ない雑誌で、大変重宝していた。ところが、最近の特集はへどが出るほどくだらないものばかりで、日本のクソアイドルや日本物をやっている。バカにするな!!20年以上も定期購読しているから、欠品が出たら困るのでただ買っているだけ。Amazonから送られて来ても開封もしていない。星なんか一つもつけたくないのだが、つけないで投稿したら評価をお願いしますと出るので一つ付けただけ。


https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1V4D527QHWBW4/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B07NRJTW4T

いやぁ、熱いですね。でも正直このレビューを最初に読んだ時に「欠品が出たら困るのでただ買っているだけ」ってところに、どうせ読まないなら持っている必要ないじゃんと思ったんだけど、この人の気持ちも分からなくはないなと思ったのさ。

この人も20年以上購読しているというので、恐らく同年代ぐらいの人だと思う。そして若かりし頃から音楽を聴く際の拠り所のひとつとしてこのレココレがあったんだと思う。その拠り所だったレココレの「質」が下がってしまったと考えての発言なんだろうなと感じたのです。

なぜそう感じたのかと言うと、かつては俺にとってもレココレはいろいろな音楽を聴いていく上での拠り所だったからだ。レココレから知ったことはとても多いし、今も昔の資料を引っ張り出す際には重宝している。

そんな俺は今ではレココレを必要とすることは少なくなった。なぜなら俺の音楽の興味が変わってきたから。レココレはキリンジも取り上げないだろうし、Suchmosだって取り上げないだろうし、ジョアン・ジルベルトは載せても申し訳程度だろうし、今も興味ある特集の時だけ、必要に応じて買えばいいやとなってしまったのだ。

Amazonカスタマーさんも、今のレココレには求めるものが無いのかもしれないが、いつかまた納得できる特集がくることを期待しているんだろう。そのためにもレココレはいい加減毎年の4月号の特集を考え直した方がいいな、まずはそこからだろ。俺にとってもウンザリした要因のひとつだし。

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