ザ・スターリンを聴き始めたころのお話(その1)

ザ・スターリン

よそで話す機会があったのでここにも記しておこうと思う。俺のこのブログで、何度かザ・スターリンや遠藤ミチロウの話が出てきているのは、よく見てくれている人ならご存知だと思う。では、俺がどうやってこのバンドを知ったのかという昔話をひとつ。

1987年、高校3年生の時のことだった。その頃の俺は、レッド・ツェッペリンとピンク・フロイド、そしてBillboard にチャートインするようなヒット曲を聴いていた。中学生の時にはすでに日本の歌謡曲というものを排除していたから、情報はもっぱら海の向こうのものばかり。

俺はその前年ぐらいからロッキング・オンを読むようになっていて、いつの号かは覚えていないけど、雑誌巻末のほうで、あるレコードの広告が目に入った。

The Stalin / Fish Inn

広告自体はなんて書いてあったかほとんど覚えていないが、「マテリアルのビル・ラズウェルがプロデュース」という文句が目に入った。ビル・ラズウェルというミュージシャンの音楽はそれまで聴いたことがなかったけど、ニューヨークでは先鋭的なミュージシャンだったという情報はなぜか知っていた。そして広告にはこう書いてあったのだ。

「ロックの未来を見た(ビル・ラズウェル)」

今思うと結構恥ずかしいコメントだし、そんな言葉にまんまとひっかかった俺も笑ってしまう。でもこの広告がきっかけで、当時よく利用していた貸しレコード屋でみつけて借りてきたのであった。

ただ、当時の俺は冒頭でも言ったけど、70年代のロックを聴いていて、 日本のロックやその他のものもまったく聴いていない状態。だから実際に『Fish Inn』を聴いてみても正直よく分からなかった。でも、このアルバムは結構気に入った。

それと前後して、渋谷陽一が6人のミュージシャンと対談した「ロックは語れない」という本が文庫本で出ていて、これに遠藤ミチロウとの対談が載っていた。その中で『虫』というアルバムの存在を知った。タイトルからして興味深いし、『Fish Inn』がへヴィでドロドロしたアルバムだというのに、そこで引き合いに出されているのはイギリスのハードコア・パンク。

そこでまたもや貸しレコード屋へ行き、『虫』を借りてきた。そして、俺の世界が変わったのだった。

コメント

  1. LA MOSCA より:


    いやぁ、この記事、大変興味深く読ませていただきました。
    自分が大好きなバンドの、他の人の、しかも個人的な意見を知るのは面白いです。
    「ロックは語れない」って面白かったですよね、ミチロウのトコに限らず。
    その1ってことは続きもあるんですね?
    楽しみにしてます!

  2. hiroumi より:


    LA MOSCAさん
    自分が聴きはじめた頃の事、どこかで書いておかないと
    この先忘れてしまうかもしれませんからねw
    これだってすでに忘れている部分がありそうだし。
    結果的に4回になってしまいました・・・。

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