ここらで書いとく、エリカ・バドゥのことも。

Erykah Badu

ここ数ヶ月、ツイッターで事あるごとにつぶやいている名前のひとつが「エリカ・バドゥ」。きっと俺のフォロワーさんはウンザリしているかもしれない。そしてここでも名前を出すなんて、別に罰ゲームを与えているわけではありませんよ。先週、1stアルバムである “Baduizm” を中古盤で入手し、これをきっかけに何度目かの熱が発生しちゃったってわけです。PCでも通勤でも鼻歌でも、四六時中曲が鳴っていて、これはもはや何か言っておかないと気がすまないってレベル。

だから前に書いた”New Amerykah Part Two: Return of the Ankh” 以外のアルバムについてサラッと語ってしまおうかなと。

Erykah Badu / Baduizm
Erykah Badu / Baduizm

まず1997年の1stアルバム”Baduizm”。エリカやディアンジェロといった人たちの登場で、「ネオソウル」というカテゴリができたようだけど、クラシック・ソウルを(当時の)今風にしたものってことらしい。ソウルに少しのヒップホップの要素や少しのジャズの要素なんかをプラス感じ?

まずアルバムを通して聴いて感じたのが「捨て曲無し」。何この完成度?こんなに素晴らしいアルバムが1997年にあったなんてね。”On & On” から “Apple Tree”、そして”Next Lifetime”までの前半の流れと、後半の”Drama”、”Sometimes…”と”Certainly [Flipped It]” の楽曲の良さ。何度でも繰り返し聴きたくなる。

このアルバムを聴いて日が浅い俺が言うのもなんだけど、最初に聴くべきエリカ・バドゥのアルバムはこれかもしれないね。これが気に入ればとりあえず次の”Mama’s Gun”もいけるでしょう。

Erykah Badu / Mama's Gun
Erykah Badu / Mama’s Gun

“Mama’s Gun”は2000年になってリリースされた2ndアルバム。実は前作直後に”Live”というライヴ盤が出ている。このアルバムもネオソウルにカテゴライズされるのかな。”Didn’t Cha Know”とか”Bag Lady”といった曲がヒットしたけど、全体的に見るとキャッチーさが希薄。

でも楽曲はここでも冴えていてやはり捨て曲無し。個人的にはヒットした2曲とジャジーな”Orange Moon”、そして”Time’s A Wastin!”が最高に好き。

Erykah Badu / Worldwide Underground
Erykah Badu / Worldwide Underground

そして、俺が今最もハマっているのが3枚目の”Worldwide Underground”。だけどこれはエリカのファンからは最も評価が低いとどこかで読んだな。何せ最初の2枚でネオソウルの第一人者となったエリカ本人が「ネオソウルは死んだ」とか言っちゃったからさあ大変。音楽的にもガラッと変えてしまって、このアルバムは思い切りクラブ寄りな音。

だけど派手な感じではなくて音数の少ない曲が淡々と続くクールさ。”Bump It”とか”I Want You”といった、8分、10分の長尺ナンバーが良い。曲も繋がっていて心地よいグルーヴが味わえる。俺は大傑作だと思う。

Erykah Badu / New Amerykah Part One: 4th World War
Erykah Badu / New Amerykah Part One: 4th World War

そして”New Amerykah Part One: 4th World War”。このアルバムでもう完全にネオソウルのエリカ・バドゥって肩書きは無くなったね。最新の”Part Two”とこれをセットで聴いたけど、それまで俺はこの人の曲を全く知らなくて、本当に単なるR&Bの人ってイメージしかなかったのをぶち壊してくれた。

特にこのアルバムは最初から最後までカッコよすぎる。激しい主張も感じられるし、ヴォーカルも素晴らしいし、曲のバラエティさもいちばんだし。でもネオソウルっぽさの残る”Master Teacher”のシンプルさはたまらないね。

Erykah Badu / New Amerykah Part Two: Return of the Ankh
Erykah Badu / New Amerykah Part Two: Return of the Ankh

で、”New Amerykah Part Two: Return of the Ankh”に至るわけです。何度か「捨て曲なし」と書いたけど、例えば他のR&Bの人のアルバムだと「これは埋め合わせ的な曲だよな」って思うことがしばしばある。しかしエリカ・バドゥのアルバムはどれを聴いてもそういうのが無い!好きだからってのもあるかもしれないけど、そもそもクオリティが違うね。アルバムでちゃんとしたコンセプトがあるからなおさらそう思う。

ちなみに、”New Amerykah Part Two: Return of the Ankh”は俺のiTunes で最も多く再生されているアルバム。曲単位じゃないよ、アルバム単位でだよ。

 

2017/2/15追記

Erykah Badu / BUT YOU CAINT USE MY PHON

Erykah Badu / BUT YOU CAINT USE MY PHON

このアルバムは2015年にリリースされたもので、最初はミックステープとしてリリースされたもの。タイトルの”PHON”は「電話」のことで、収録曲のすべてに電話が関わってくるっぽい。Amazonではアナログ盤が売っているのをこの記事を書くにあたって始めて知った。

そろそろ新しいアルバムを出してくれないかなぁ。

 

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