デラックス・エディションは何故2枚組なのか

Deluxe Edition

ベックの『オデレイ』のデラックス・エディションのジャケを以前紹介したが、デラックス・エディションとは、かつてリリースされたアルバムに、シングルにしか収録されていない曲や未発表曲や、ライヴ音源などを追加し、2枚組としてユニヴァーサルから再リリースされているCDのこと。


従来のアルバムからなるDISC1とレア音源満載のDISC2というのがよくあるパターン。これが他社からのリリースだと「レガシー・エディション」だの、単純に「エクスパンディット・エディション」などと謳われている。

こういうデラックス・エディション発売のアナウンスがあると、皆一様に思うことは「2枚目の方(DISC2)だけ単体で出して欲しい」じゃないだろうか?俺もそう思うことがある。

でも2枚目だけを単体でリリースするのはいかがなものだろう?と考えることがある。例えば、自分で持っているものの中では、ソニック・ユースの『DIRTY』というアルバム。DISC1は1992年にリリースされた”DIRTY”というアルバムと、当時のシングル曲に入っていた曲が追加という構成。DISC2がシングル曲と、このアルバム録音時のスタジオセッションからの曲が大半を占めている。スタジオセッションだから、ヴォーカルもほとんど無ければ、曲として成り立ってないものもある。はっきり言って、このCDだけ聴いたのでは、何がなんだか分からないようなものだ。

つまりデラックス・エディションとは、そのアルバムの当時の裏側を知るためにあるようなもので、裏側を知るためにはやはりオリジナルのアルバムも聴いておくべきという考えなのではないだろうか?

アルバムとレア音源の両者を聴くことでまた新たな発見があるのではないかと。だって、『DIRTY』のDISC2が単体でリリースされたとして、これが初めてのソニック・ユース体験という人が聴いたら、もう2度とソニック・ユースを聴くことが無いのでは・・・。

そう思うと、こういう場合はデラックス・エディションの方がいいのかなと思う。すでにオリジナルのアルバムを持っている人には、DISC1はリマスターされているとか、やはり再度聴きなおす機会を与えてくれているとは思う。

個人的には、あるアルバムとその時期のシングルのみの曲やライヴ音源などは、単体でリリースされるよりも、デラックス・エディションのような形のほうが付加価値があるような気がする。単なる「編集モノ」に留まらない別の「作品」として生まれ変わるだけに。

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