極私的オールタイムベスト50アルバム【その7】

Public Enemy / Fear Of A Black Planet
Public Enemy / Fear Of A Black Planet(1990年)
当時のロッキング・オンでの「もしあなたがハードロックを聴きたいのであれば、PEのこのアルバムを聴くといい」という出だしで始まるレビューに惹かれて聴いたアルバムで、本当にこれはハードロックだと思うぐらいのハードな音だった。ヒップ・ホップでメジャーになるのはどことなくパーティ・ラップ的なものが多いと感じていたところへ、脳天を勝ち割られたような激しい音。そして目の前でまくしたてられているようなチャック・Dのラップの凄さ。すごいアルバムが出たものだと思った。これを機に他のヒップ・ホップ・アルバムも多く漁ってみたが、PE以上の衝撃を受けることはなかった。ちなみにPEの最初の3枚はアナログで持っている。

Queen / Queen II
Queen / Queen II(1974年)
クィーンは、レッド・ツェッペリンやブラック・サバスの後継的なハード・ロック・バンドとしてデビューした。しかし3枚目のアルバムに収録されている”Killer Queen”から音楽的な幅が広がっていったので、あまりハード・ロックというイメージは出てこないんじゃないかと思う。もちろんどのアルバムにもハード・ロック風な楽曲はあるが、あくまでも彼らの要素の一部と思われているんじゃないだろうか?そんなクィーンの2枚目となるこのアルバムはアナログ当時はA面がブライアン・メイ色の強い「ホワイト・サイド」、B面がフレディ・マーキュリー色の強い「ブラック・サイド」としてリリースされ、俺は特にB面のメドレー的な展開が好きでたまらない。フレディの美学が集結早くも集結されているという素晴らしいアルバムだ。ガンズ・アンド・ローゼスのアクセル・ローズもこのアルバムを「この世で最も完璧なアルバム」と言ったとか。

The Rolling Stones / Beggars Banquet
The Rolling Stones / Beggars Banquet(1968年)
俺がストーンズにはまり始めた80年代後半、このアルバムには2つのジャケットが存在していた。今ではこの便所の落書きのジャケットが定番だが、80年代半ばまでは白地にバンド名とタイトルだけのシンプルなものだった。これはアルバム制作当時にレーベルであったデッカ・レコードの拒否されて、渋々白地のジャケにしたそうだ。ビートルズを追ってサイケに走ったりなど迷走を始めたストーンズだったが、本来の自分たちのルーツに戻り、ブルースを基調としたこのアルバムをリリースして後に至っていくのであるが、もしこの原点回帰がなかったら今も存在していたかって考えると、とても重要なアルバムなんだよね。今では俺は”Exile on Main St.”のほうが好きだったりするけど、でも1枚選ぶとしたらこれになるんだよな。”Jigsaw Puzzle”や”Stray Cat Blues”のような曲は他ではなかなか聴けないし。

Run D.M.C. / Raising Hell
Run D.M.C. / Raising Hell(1986年)
初めて「ラップ」を意識したレコードがこれ。高校生だった俺は黒人音楽もまだ苦手だったし、正直よく分からなかった。”Walk This Way”だってエアロスミスの曲で本人たちがギターやヴォーカルの一部で参加しているからってことでこのアルバムも聴いたし。だけどリズムがメインの曲になると途端に苦手になって、当時はやっぱり”Walk This Way”ばかり聴いていた気がする。だけどラップという新しい手法には非常に興味深く、どうにか理解していこうとしていた記憶がある。今ではアルバム全編がお気に入りで今でも年に何度か聴いたりしている。パブリック・エナミ―にも共通するが「強い音」って印象なんだよね、俺にとっての優れたヒップ・ホップ・アルバムの多くは。

Sex Pistols / Never Mind The Bollocks Here's The Sex Pistols
Sex Pistols / Never Mind The Bollocks Here’s The Sex Pistols(1977年)
高校生の時だったかな、初めて聴いたのは。レコードに針を落としたら他のレコードよりも音が大きくてビックリしたことを覚えている。でも過度にイメージしていた「パンク」よりはごくごく普通のロックンロールで、ジョニー・ロットンのあの独特の歌い方が無かったらそれほど好きにならなかっただろうなと思った。そういや高校生当時、同じクラスの奴が俺がレンタルレコードから借りてきたピストルズのライヴ盤を見て「パンク?パンクなんて聴いたら気が狂っちまうよ」とか言ったのを今でも覚えている。おとなしく無難な音楽聴いてつまらないおっさんになっているんだろうな、そいつ。
関連記事:セックス・ピストルズ / 勝手にしやがれ!! – 1AB

タイトルとURLをコピーしました