個人的備忘録:『ロウ』

David Bowie / Low
David Bowie / Low
01. Speed of Life
02. Breaking Glass
03. What in the World
04. Sound and Vision
05. Always Crashing in the Same Car
06. Be My Wife
07. New Career in a New Town
08. Warszawa
09. Art Decade
10. Weeping Wall
11. Subterraneans

記憶が薄れないうちに書いておく。

デヴィッド・ボウイ、1977年リリースのアルバム。
プロデュースはブライアン・イーノ。
ベルリンで録音。

アルバムを知ったきっかけ。
15歳もしくは16歳の頃に「FM-fan」というFM雑誌に掲載された
「プログレッシブ・アート・ロック特集」(記載のまま。なぜ「アート」って入っていたのか・・・)。
その中のアルバム50選の1枚として入っていたのが最初。
だからプログレのアルバムだと思っていた。
『レッツ・ダンス』がああいうアルバムだけに、プログレだったの?と思っていた。
しかし当時は未聴。

David Bowie / Sound + Vision
1989年、アメリカのライコディスクというレーベルから
ボウイのRCA時代のアルバムが順次CD化という話が出て、
その先行でリリースされたボックス”Sound + Vision”を購入。
これで70年代のボウイを知ることになる。
なお、このボックスには『ロウ』からは3曲収録されていた。

そしてレコード・コレクターズのデヴィッド・ボウイ特集。
これで70年代の彼の活動のことを知る。
『ロウ』については最初の4曲が組曲のようで、そのあとの3曲が若干弱いと記載。
それでもクオリティが低くならないのはアナログでB面にあたる「ワルシャワの幻想」
以降の4曲のインストゥルメンタルがあるからというのを読んで、本当に再発が待ち遠しかった。

1990年からそのCD化が始まるが、『ロウ』が再発されるまではそこから1年ちょっと。
それまでのアルバムが順番にリリースされては買って、その時を待った。

もっとも印象深いのは当時のロッキング・オンでの再発盤レビュー。
「特に”Speed Of Life”はLPの回転ではなく、CDの回転でこそ聴くべき」と書いていて、
この1文だけで『ロウ』が時代の先を行ってたアルバムなんだろうというさらなる期待を抱かせた。

1991年某月、ついに再発。
1曲目の”Speed of Life”は先のボックスにも入っていたが、
こうしてアルバムの1曲目として聴くのではまた違う。
そしてロッキング・オンで書かれていたこともその意味が分かった。
“What In The World”でのイギー・ポップとのデュエット、イギーの声がどっちか未だにわからん。
レココレで書かれていたA面後半3曲も問題無し。
そして重いインスト4曲!
これを聴いたらロバート・スミスの発言も分からなくない!
音楽がアートだということを証明しているアルバム。

次作『ヒーローズ』もイーノプロデュースで、
A面歌ものB面インストという構成が同じではあるが、こっちは聴きやすい。
『ロウ』は聴けば聴くほど深みにはまる。

・・・そして2013年。
今でも『ロウ』は俺にとってはデヴィッド・ボウイのベストのアルバムである。

GOLD WAX Vol.2 より
再発されるまでに聴く機会はなかったのかと思う人もいるかもしれないのでメモ。
レンタルレコード屋にLPが置いてあったけどあえて借りるようなことはしなかった。
そしてCDについてはライコディスクから再発される以前、
RCAでもCD化はされていたようだけどすでに廃盤でプレミアがついていた。
そもそも俺が実際に中古で見かけたことがあるのが『ピン・ナップス』のみで、
9800円だったか12800円という値段がついていた。
当時のコレクター雑誌「GOLD WAX」でもこのアルバムの他には
『ヒーローズ』と『スケアリー・モンスターズ』などはそこそこ流通されたものの、
すぐに廃盤になった旨が書かれていた。

つまり1990年前後にデヴィッド・ボウイを聴きたいと思っても当時は手に入れにくい状況だったわけです。
ボウイ以外にもこういうパターンは結構あったけどね。
だけどその分まだ聴いたことの無い音楽、聴きたくても聴けない音楽への期待とかが大きかった。
こういう喜びってのはもう2度と味わえないんだろうね。
俺は良い時期を過ごしたと思うよ。

※ここまで書いて過去記事を調べたら、ほぼ同じような内容で『ロウ』のことを書いていたよ・・・w
David Bowie / Low

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