亡き友人に聴かせたい”The Nightfly”のアナログ

Donald Fagen / The Nightfly
Donald Fagen / The Nightfly

発表から30年が経った今でも人気の高い、ドナルド・フェイゲンの”The Nightfly”。
スティーリー・ダンの諸作のリマスターはとっくに終わっているというのに、
このアルバム(と”Kamakiriad”)は未だにリマスターがされていない。
今かいまかと待ちわびている中、ワーナーからアナログでの再リリースが決定した。
180gの俗にいう高音質盤だそうだ。すでに注文したのは言うまでもない。
このアルバムのアナログ盤は中古で探してもなかなか見つからないんだよね。
俺の探し方が悪いだけかもしれないけど。

“The Nightfly”は俺ももちろん好きだけど、2年前に亡くなった友人も好きだったんだよね。

今日4/15は、奴の命日で2年が経つ。
奴のことは2年前にも書いたからそちらを見て欲しい。

Beatleg Magazine Vol.9
もう12年も前になるけど、写真のbeatleg という雑誌のスティーリー・ダン特集で、
俺はアルバム3枚分のレビューを書いたことがある。
当時、スティーリー・ダンのファンサイトを持っていて、他の人から誘われたという形でだ。
そのときに”The Nightfly”の原稿を書く人がいないかと聞かれ、俺は奴に話してみた。
いちばん好きなアルバムの1枚であることは知っていたし、奴しかいないと思ったからだ。
原稿など書いたことがなかったけど、2つ返事で引き受けてくれた。

その原稿の中で、奴はこのアルバムのことをこう書いている。

このアルバムは効き目の落ちない精神安定剤のような物で、何度繰り返し聴いても飽きることがない。「毎日の都市生活に欠かせないアルバムは?」という、(無人島に持っていくことより※)ある意味もっと条件の厳しい質問にも私は自信を持って「ナイトフライ」と答えることができる。
※カッコ内は俺が追記した

そう、よくある「無人島ディスク」としてもこのアルバムは挙げられそうだけど、
これは無人島なんかには似合わないと思う。奴が書いているように、
都市生活をするなかで聴けばこそ刺激を与えてくれるのが”The Nightfly”というアルバムだと思う。

奴は確かCD時代になってからこのアルバムを聴いたと言っていた。
もしかしたら俺と同じように、アナログでは聴いたことがなかったのかもしれない。
一緒にアナログの再発を喜びたかったよ・・・、そしていつか出るだろうリマスターも。
こうなったら、俺が死んだ時に棺桶に入れてもらうしかないよな。

今日は奴のためにこのアルバムを聴いて、いろいろと思い出すことにするよ。

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