私がマイノリティを感じる瞬間、だけど構わない

昨日、テレビでは90年代に活動していた某ガールズバンドのことをやっていた。
10何年ぶりに再結成とかで、ちょっと前にその情報が流れた時もそして昨日のテレビを見ていた人たち、
きっと俺とほぼ同年代(もしくは下の世代)なんじゃないかと思うが、皆彼女らの再結成を一様に喜んでいた。
俺はどうだったかと言うと、そもそもリアルタイムで彼女たちが活動していた時期を見てはいたけど、
ヒット曲ぐらいしか知らないし、当時から特に興味が無かったから何とも思わなかった。
だから懐かしさとかも無かった。

こういう時に困るのが同年代であれば誰もが同じ思い出を「共有」していると思う人が結構いるということだ。
先のグループのことに限らず、あの時代を通過した人ならみんなが「知っていて当然」と思う人々が。

つい先日も、職場で同年代ぐらいの人が「北斗の拳」のことを話してきたが、
俺にはチンプンカンプンで、「同年代なのに知らないんですか」ぐらいのことを言われた。
「北斗の拳」という漫画があったのは知っていても読んだことはないし、
今だってパチスロになってたってことぐらいの認識でしかない。

俺が中学生になった1981年頃はガンダムが流行った。
そして松田聖子や中森明菜、たのきんトリオなんかが人気だった。
高校生の頃の1985年にはおニャン子クラブが大人気で、
BOØWYを始めとするバンドブームでもあった。「イカ天」って番組もあったしね。

だけど俺は上に挙げたものについてはどれも通ってこなかった。
じゃあ何に夢中だったかというと「全米ヒットチャート」に上る曲だった。
12歳の時にラジオでやっていた「ポップスベストテン」的な番組を聴くようになり、
やがてFMからエアチェックをしてカセットテープに録音して聴く。
FM雑誌を買うようになってそれに拍車がかかり、一気にのめり込んでいった。

それまでの歌謡曲しかなかった自分の世界が思い切り広がって、
聴いたことがなかったメロディや日本語ではない「歌」が面白くて仕方がなかった。
中学生になってからの俺はずっと全米ヒットチャートの曲を追いかけていった。
他のものにはまったく目を向けずに・・・、ひたすらそれだけに。

だから同年代の連中と昔話をしても共感できるものが少ないってわけ。
テレビで80年代のころの特集をして、タレントたちが「懐かしい」とか「みんな好きだったよねぇ」
みたいなコメントをしているのを見てもまったく賛同できない。
むしろ「本当にみんなそれを聴いてたの?見てたの?」って不思議に思うんだよね。

でも今まで接してきた社会のなかで、俺みたいのはマイノリティであって、
同じ思い出を共有できている人たちのほうが圧倒的多数。それは仕方の無いことだし否定もしない。
だって俺には本当にどうでもいいことだからだ。

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