キリンジのアルバムから2曲ずつチョイスしてみる

ミュージック・マガジン2010年10月号
ミュージック・マガジン2010年10月号

ミュージック・マガジンの10月号の特集はキリンジ。
そういえばこれを買うのを忘れていたよ。
レココレのストーンズ特集には目もくれず残りのこの1冊をゲットしました。
今回は個人的メモなんだけど、
キリンジの8枚のアルバムから各2曲を選んで、
iPod のプレイリストで聴いているので、選曲が変わらないうちにここへ。

■1st『ペーパードライヴァーズミュージック』
「汗染みは淡いブルース」
 キリンジがまだアルバム2枚ぐらいしか出していない頃、
多くの知り合いがスティーリー・ダンっぽいと言ってたんだけど、
その頃は俺はまだ興味がなかったから気に留めてはなかった。
後にこのまるでSDの”Do It Again”みたいなイントロを聴いたときは
思わずニヤリとしてしまったのを思い出す。
しかも歌詞も意味不明でそんなところがSDっぽいのかなとか。
「かどわかされて」
俺が最初に聴いたキリンジは、人が編集してくれたMDで。
最初の4枚のアルバムの冒頭3曲をいれたものだったのだけど、
キリンジ好きの友人が「それじゃ良さが伝わらない!なんで『かどわかされて』が
入ってないんだ」と、独自の編集でMDを作ってくれた。
その中に入っていたんだけど、そのときからこの名曲ぶりには驚かされる。
1stアルバムの時点でこんなの・・・と。
デパートのことを歌っているようだけど、歌詞の随所から風俗街のことを
歌っているようにも思える。

■2nd 『47’45″』
「Drive Me Crazy」
最初に聴いたときの「ざくろをはねたら・・・」の歌詞が強烈なインパクトを受けた。
「引き返して欲しいかい?やだね」とか。
なんてひねくれているのだろうとw
俺みたいな者にあるような曲じゃないかとね。
ちょっと地味でもあるけど、この曲はくせになる。
「恋の祭典」
アレンジにやられて、後は歌詞に出てくる
マスゲームだとか、ミサイルレビューだとか、何やら意味深な言葉。
読解力の無い俺にはつまりは何の歌なのかが分からないところに惹かれている。

■3rd 『3』
「エイリアンズ」
いや、もうこれしかないでしょう。
恐らくいちばん有名な彼らの曲だけど、特にヒットしたわけでもない。
キリンジって兄、高樹のグループなんじゃないかって思うのだけど、
この曲は弟、泰行によるもの。この絶妙なバランスが独特の空気を
生み出しているのだろう。名曲すぎる。
「メスとコスメ」
そして兄の世界で好きなのがこれ!
整形した昔の彼女が現れるって歌なんだけど、
サビの「きれいだぜ」ってところがものすごく嫌味に聞こえて、
それがものすごく聴いていて快感を覚えるね、俺は。
この手の兄の世界を聴いていると、絶対俺と同じタイプの人だなってww
そしてごめんなさい、2曲って言ってるのに、
このアルバムからはもう1曲選んでます。
「むすんでひらいて」
ちょっと気だるい雰囲気と「ティトゥリトゥリトゥリラー」ってコーラスがツボ。

■4th 『Fine』
「雨は毛布のように」
aikoがコーラスで参加している曲で、それがいいアクセントになってるよね。
雨が降ると聴きたくなるのがこの曲。
「切り花」
なんか禅問答みたいな歌詞と言っていいのかな。
それがスローなテンポで淡々と歌われる、キリンジではあまりない
タイプの曲かなって思ってる。ジャジーなアレンジ。

■5th 『For Beautiful Human Life』
「ハピネス」
これもまた兄の世界が炸裂していて大好き。
奥さんに興味の無い旦那を歌っているのかね。
「知るかよ、笑わせるなっつーの」ってところが最高。
ホントこういうことを書かせたら素晴らしいよね。
「The Echo」
疾走感と緊張感、これに限る!
聴き終わると疲れるんだよね、6分もあるからw

■6th 『DODECAGON』
「自棄っぱちオプティミスト」
テクノ化したキリンジのアルバムなんだけど、
この曲はアレンジがそうであっても唯一無二のキリンジのメロディ。
「この街の景色をもっと君が愛したのなら世界が変わる」って部分が白眉。
ここに挙げている曲の中でも、もしかしたら片手に入るかもしれない。
「ロマンティック街道」
これは破局の歌だよね?いまいち確信できないけど。
茨のヴァージンロードだとかまなざしはマリッジブルーとか、
クローゼットにしまった僕らの恋とか、ネガティヴな言葉ばかりw
なのにこのタイトルをつけちゃうセンスが良い。

■7th 『7 -seven- 』
「SHOOTIN’ STAR」
この曲は単純にカッコイイと思っている。
弟のヴォーカルも最高。このアルバムでは最も多く聴いているトラック。
「君のことだよ」
この曲だけじゃないけど、『7 -seven- 』に入っている曲の
ホーン・アレンジを聴くと、どうしてもドナルド・フェイゲンの”Morph The Cat”を
思い浮かべてしまう。初期にあったスティーリー・ダンの雰囲気が
このアルバムでは久々に感じられるってところがあって、
俺は結構このアルバムが好きだ。

■8th 『BUOYANCY』
「空飛ぶ深海魚」
前にも書いたけど、俺にとってこのアルバムのベストトラックはこれ。
永遠に廃れることの無い美しいメロディを持っていると思う。
「都市鉱山」
キリンジがトーキング・ヘッズになった瞬間だねw
本当に異色で、こういうのが聴けるとは思いもしなかった。
ちなみに『BUOYANCY』の2曲はiPodではプレイリストには入れてない。
まだアルバム単位で聴いているから。

他にも「イカロスの末裔」とか「牡牛座ラプソディ」とか、
好きな曲はいっぱいあるんだけど、1枚のアルバムを作るつもりで
選曲してこの結果。他の人が同じことをしたらまた違うんだろうけどね。