オリジナル・ラブ5年ぶりのアルバム『白熱』。
7/9のクアトロ公演の際に購入してから2週間、
俺はもうずっとこのアルバムを聴き続けている。
通勤の往復で、そして家で。今も聴きながら書いている。
オリジナル・ラブのアルバムでこれほど夢中になっているのは
恐らく2000年の『ビッククランチ』以来なんじゃないかと思う。
そして聴けば聴くほど『白熱』の充実ぶりに待った甲斐があったと心の底から思う。
なので前回は触れなかった各曲についての感想など。
1.フリーライド
オルガンがフィーチャーされている曲って今まであったかな?
そしていつものオリジナル・ラブのアルバムであれば、1曲目は力の入った曲で
始まるのに対して、かなり肩の力が抜けているなと思った。
でもこれからの決意表明にも思える曲。歌詞は何を歌っているのかよくわからない。
俺もこの曲の説明はどう言ったらいいのかよくわからないw
2.バイク
ライヴでは「ひまわり」という仮題がついていた曲だったけど、
歌詞は書き直しとかしたのかな!?
曲自体はは普通のポップ・ミュージックなのに
間奏が『ムーンストーン』に入っていた「Glass」みたいな展開をして
そういうちょっとしたひねくれ具合が好きだな。
3.セックスと自由
クアトロのライヴで初めて聴いてすぐに気に入った曲。
『LOVE!LOVE!&LOVE!』に入っていてもおかしくないタイプ、そう「色っぽい」のさ。
でも当時だったら「Bike」の部分は他の言葉になっていただろうな。
そしてすでにライブではトーキング・モジュレーターとか使ってアレンジが
加えられていたけど、この曲はいかなる編成でもカッコイイ演奏が聴けると思っている。
4.カミングスーン
今回、この曲についていちばん言いたかったので長くなる。
この曲はもともと「ディランとブレンダ」ってタイトルで2009年のツアーで披露していた。
なんでも田島が「ビバリーヒルズ青春白書」にはまってDVDを借りまくり、
そこからインスパイアされてできた新曲とMCしていた。
正直、曲としてはいまいちかなと思っていた。しかも何でいまさらビバリーヒルズ青春白書とも思ったし。
『白熱』の曲目に「ディランとブレンダ」が入ってなかったことからやはりボツったかと。
そしてこの曲、スチャダラパーが参加してラップが入っているけど、
一聴してこのメロディは「ディランとブレンダ」だというのが分かった。
原曲の歌詞にあったビバリーヒルズという言葉はなくなっていたけど、
「ドラマは終わりじゃない」ってところを聴いて間違いないと。
アルバムに収録するにあたってかなり歌詞を書き換えたんだね。
でもそりゃそうだと思う。2011年に出すアルバムに入れる曲のモチーフが
古い海外ドラマってどうよって考えたのだろう、もっと普遍的な恋の歌になっている。
最初に聴いた2009年の原曲とは天と地の差のような生まれ変わりを果たしていると思った。
でも、ラップをよく聴くと、舞台はバブル期のような気もしないでもないが・・・w
5.春のラブバラッド
いま、俺の琴線にいちばんひっかかってくるのがこの曲。
これも本当に、ごく普通のポップ・ミュージックなんだけど、
なんだろうね、田島の作る曲でこの「普通」ってのが実は「すごい」のではないかと。
ちょっと捻った曲ってのはそれなりに印象を残すけど、
最終的にはこの手の曲のほうが後々まで聴かれるんじゃないかと思うのですよ。
そして、もうひとつ今の俺にひっかかっている理由は、
今回のライヴでこの曲をやってくれなかったからというのもある。
初演は2009年ごろのツアーでタイトルも違ったと記憶しているけど。
『イレブン・グラフィティ』の「ビター・スウィート」的な曲と言っておく。
6.ハイビスカス
これは「高い枝のクランベリー」ってタイトルだった曲。
そう、今回のアルバムの曲の多くは、ここ数年のライヴで披露されてんだよね。
そこから作り上げてきたからよく練られているって気がする。
このメロディも良いよね、何度でも聴きたくなる曲。
7.ふたりのギター
このせつないメロディがたまらん。
「フリーライド」同様オルガンがフィーチャーされているけど、
なんかドアーズみたいだと思うのは俺だけかな?
8.海が見える丘
この曲とか「春のラブバラッド」を聴くと『イレブン・グラフィティ』を思う浮かべる。
あのアルバムの頃は「機材元年」と称して後に『L』『ビッククランチ』という
大傑作に結びついたけど、『白熱』もそのきっかけとなるんじゃないかと期待してしまう。
そう、そんなパワーを感じるのがこのアルバムであり、その中にひょこっと入っている
この曲は数年したらまたライブでやって欲しいと思うようなタイプかな。
9.あたらしいふつう
この曲は震災以降に作られたものだから、今回のライヴが初演?
「やがてスタンダードになる はじめの一歩を踏み出せ」って言葉が響くね。
この曲に限らず、アルバム全体が前向きなムードに溢れているのも特徴かな。
『東京 飛行』とかはどこか閉塞感があったし。
10.好運なツアー
「ぼくたちは好運なツアーの真っ只中にいる」って、ライヴでは詩の朗読までする。
ツアーって、人生ってことかな?ただ漠然と生きていくと忘れがちな好運、
生きていくことの喜びを歌っている。初演が2010年の夏のツアーだったから、
その年の春に友人を亡くした俺にはすごく重く響いてくる。
日々をもっと大切に生きたいと思わせてくれる曲だ。
俺はiPodにはこの10曲を入れて聴いている。
「フリーライド」のひとりソウルショウバージョンは家で聴いている。
「なごり雪」のカバーは正直どうでもいい。
今回のアルバム『白熱』は本当に素晴らしい。
田島貴男のいうポップ・ミュージックがこれでもかといわんばかりに湧き出てくる。
本当に多くの人に聴いて欲しい、特に、今はオリジナル・ラブから離れているって人に。
そして、今までオリジナル・ラブに接したことがない人にも。
正直、もっと男のファンが増えて欲しい。
(なんかね、「オリジナル・ラブ」って名前や「接吻」とかのヒット曲で
絶対に間違ったイメージを持たれていると思うんだよね。)
あまりネット上では感想などを見かけないけどなぜだと思ったんだけど、
今はまだファンクラブとライブ会場での発売で、一般発売は7/27だった!
俺はまだまだ聴くよ。
コメント
白熱最高!
軽く聞けるような、心地好いサウンド。凝ってるのに耳なじむ。
ここんとこヘビロテ!
田島がほめられて嬉しいス。
みつさん
心地よいけど凝ったサウンドって、これこそオリジナル・ラブの魅力ですよね。
自分もこれに惹かれて15年以上です。