音楽ライター金澤寿和が選曲監修する「Light Mellow」の和モノシリーズの1枚として2014年にリリースされた1枚である『Light Mellow 野口五郎』をようやく手に入れた。以前から興味があったんだけどついつい後回しになってしまってね。
たったいま「興味があった」と書いたが、何に興味があったんだこいつはと思う人もいるだろう。何せモノは野口五郎だからね。恐らく多くの人は西城秀樹や郷ひろみと同じようなアイドル歌謡歌手とか「カックラキン大放送」でコントをやっていた人みたいに思っているだろうからね。
だけどシングル曲で流行歌を歌う一方で、ロンドンやニューヨーク、ロサンゼルスでの録音を行い、当時の海外の一流ミュージシャンとアルバムを作ったりしていると知った時から気になっていたんだよね。だって時は70年代半ばから80年代初頭だし。
そんな時期の曲をコンパイルしたのがこの『Light Mellow 野口五郎』なわけですよ。曲目をざっと書いておこうか。
01. ときにはラリー・カールトンのように
02. たわごと
03. スクランブル・エッグ
04. バイオレンス
05. I Love You
06. 薔薇
07. 裏切り小僧
08. ワンサイド ゲーム
09. 世界が止まる
10. クール・キャット
11. 闇
12. シスコ・ドリーム
13. メニュー
14. 星型爪環
15. 女になって出直せよ
16. スマイル
17. グッド・ラック
18. MOUNTAIN SONG
いきなり1曲目のタイトルにラリー・カールトンなんて名前が出てきちゃうわけですよ。これだけでもニューヨークだとかLA録音ってことがどういうことなのか想像できちゃうでしょ？特にAORだとかシティ・ポップなんてキーワードに弱い人なら。
曲によっては参加ミュージシャンが載っていて、ラリー・カールトン（ギター）だのトム・スコット（サックス）だのマイケル・ブレッカー（サックス）とかウィル・リー（ベース）とかジム・ゴードン（ドラム）などなど、とんでもないメンバーが参加していたりするのです。
このコンピレーションを聴きながら、スティーリー・ダンが『ガウチョ』をレコーディングしている時に参加していたミュージシャンが、一方では野口五郎のアルバムのセッションにも参加していたりしたのかとか想像したらなんかすげえ話だなと。
だからシングルとして有名な曲は7、15、17ぐらいで、あとはアルバムに収められていたマニアックな選曲なんですよ。そこがまたこのコンピのこだわりでもあっていいよね。やっぱりもっと早く聴いておけば良かった。
