V.A. / The Bridge A Tribute To Neil Young

V.A. / The Bridge a tribute to Neil Young

V.A. / The Bridge a tribute to Neil Young

このCDは中古で探してでも聴いておくべきと言っておこう。
01. Barstool Blues (Soul Asylum)
02. Don’t Let It Bring You Down (Victoria Willams & The Willams Brothers)
03. After The Goldrush (Flaming Lips)
04. Captain Kennedy (Nikki Sudden & The French Revolution)
05. Cinnamon Girl (Loop)
06. Helpless (Nick Cave)
07. Mr. Soul (Bongwater)
08. Winterlong (Pixies)
09. Computer Age (Sonic Youth)
10. Only Love Can Break Your Heart (Psychic TV)
11. Lotta Love (Dinosaur Jr.)
12. The Needle And The Damage Done ~ Tonight’s The Night (Henry Kaiser)
13. Out Of The Blue (B.A.L.L.)
14. Words (Henry Kaiser)

「トリビュート・アルバム」なんて言い方は今では全然珍しいものではないが、このCDが出た21年前には、まだそれほど浸透していなかった呼び方だと記憶する。トリビュート・アルバム?なんだそれ?って感じだったよね、当時は。最初は単なる「カバー集」だと思ってたしね。

そもそもトリビュート・アルバムってこういうことでしょ?
「tribute = 賛辞、尊敬のしるし」

俺は「トリビュート・アルバム」って響きがあまり好きじゃない。それは、トリビュートする側が「さあ、俺達があなたの曲を演奏して後世に伝えてあげるから、あなたはもうゆっくり休んでくださいな」と言ってるような気がしてならないのだ。日本語に訳すときも「○○に捧ぐ」みたいな感じじゃない?

だからトリビュートされる側からすれば「年寄りは引っ込め」と言われてるように感じることもあるのではないかと思う。このCDでトリビュートされたニール・ヤングも当初はそう思って
かなり憤慨したそうだ。

さて、このアルバムには13組14曲が収められているが、皆さんはここに列記されているアーチストをどれぐらい知っているだろうか?俺は買った当時はニック・ケイヴとソニック・ユースしか知らなかった。今では存在しないと思われるグループばかりなのだが、今で言うところのオルタナティヴな連中ばかりで、ニール・ヤングの熱心なファンであればあるほど、これらのアーチストの音楽なんて毛嫌いしていることだろう。ニール・ヤングの影響をすごく感じられる好例なのにね。

で、肝心の内容だが、他人の曲をカバーする場合は原曲を忠実に再現するか、まったく自分たちのモノにしてしまうかのどちらかだと思う。ここではやはり後者に相当するグループたちの方が面白い。俺の好きなソニック・ユースによる “Computer Age” は元々はニールの問題作と言われてる”TRANS” に収録されていて、ニールはヴォコーダーを使用したヴォーカルを披露していたが、ソニック・ユースは2本のギターでこの曲を全く新しいものへと再生させている。フレイミング・リップスによる “After The Goldrush” はかなりグチャグチャで、BONGWATER(このグループについては未だに知らない・・・)の “Mr.Soul”はインディー系のバンドがいかにもやりそうなアレンジで、それがかえって面白かったりする。

しかし!ここでの白眉はダイナソーJr. の “Lotta Love”。原曲を知っている人に是非とも聴いていただきたい、このパンクでハチャメチャなアレンジを!「あ、あの『溢れる愛』・・・」
と固まってしまうこと間違いなし(笑)。この1曲の為にニール・ヤングのファンは金を使うべきだと思う。

ニール・ヤングはこの後、これら若手のバンド達から絶大な支持を受け、自身も「グランジのゴッドファーザー」よろしくギターを歪ませアンプの音量を最大限まで上げ、もしかしたらこの頃が全盛期と思わせるような凄まじいアルバムを何枚も発表した。そういう意味でこのアルバムは、ニールにとっては良い刺激となったのだろうね。

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