イヴニング・スタンダード(友へ捧ぐ)

4/15の朝、友人が亡くなった。
30歳ぐらいのときに、ネットで知り合った友人を介して知り合ったのだが、
音楽的な趣味や、その愛くるしいキャラクターで妙にウマが合って、
それ以来何度か飲みに行ったり、メールをやり取りしていた。
彼はプログレやAOR系の音楽が好きで、
スティーリー・ダンが好きということで共通項があった。
知り合った頃は東京に住んでいたが、5,6年前からは実家の関西に戻っていた。
だからずっとメールのやり取りばかりだったがお互い音楽の話ばかりをメールしあい、
入手したスティーリー・ダンのブートレグを交換したり、
彼の薦めるAORなんかを聴いては感想を送ったりしていた。
こんな会話をメールでしていたり)

彼は東京にいるときには音楽ユニットを組んでいて、
その音源をもらったこともある。ものすごくクオリティが高く、
某インディーレーベルの人に聴かせたらなかなか良い反応ももらった。
だけど、5年もやってきて持ち曲はたったの4曲という
超こだわりの部分があって、まったく日の目見ることが無かったどころか、
ほとんど誰も知らないという有様だった(笑)。
だけどそんなところが奴(とその相方)らしいなとも思った。
もちろん、いまでもその音源は大事に持っている。

彼は若いときから病気で身体が弱く、
時々メールでも調子の悪いようなことを書いていた。
だから元気でいてほしいと思っていた俺は自分が入手した
スティーリー・ダンやイエスなどのブートレグ音源を手に入れては彼にもそれを渡していた。
すると彼はいつもその感想を細かくメールしてきてくれて、
以前俺がキリンジを聴いたことがないと言えばこだわりの選曲でMDをおくってきてくれたりと、
お互い好きな音楽を分かちあっていた。そんな状態がここ何年も続いていた。

最後に会ったのは4年ぐらい前だった。
彼が学生時代に同じサークルにいた某ミュージシャンの結婚式に出るために東京に出てきたとき。
スケジュールがタイトだったのに時間を作ってくれたのが嬉しかった。
その時に俺はいつか彼の地元に遊びに行くよと言った。
2月にもオリンピックのこととか、先月も入手したブートのことなんかをメールしあって、
いつもと同じように連絡をとりあっていたのに・・・。

15日夜に突然の訃報が届いた・・・。
あまりにも突然すぎて、正直未だに受け入れられない。
メールをすればいつものように返ってくるんじゃないかと。
忙しく仕事をしていたけど、ふと彼のことを考えると今も涙が止まらない。
「いつか遊びに行くから泊めてよw」なんて言っておいて、
その「いつか」が来ることがなくなってしまった。
一生の後悔ができてしまった。

30歳も過ぎると、一生付き合える友達なんてそうそうできるもんじゃない。
だけど彼とは今後もずっと付き合っていけると思っていたのに。
悲しくて悲しくてどうしようもない。
12年ぐらいの付き合いだったけど、君の事は一生忘れないよ。
今はとにかくゆっくり休んでいてくれ。
いつかまた音楽の話をしようぜ、それまで待っていてくれよ。
良い音源たくさん仕入れておくからさ。

コメント

  1. まさなか より:


    本日、あいつに最後のFarewellをしてきます。

  2. 榊いずみ より:


    書き込みありがとう。
    突然のことで、心がついていかない。
    わたしはそれこそ結婚式以来だったので、
    なんでちゃんと会っておかなかったんだろうと
    そればかり考えてしまいます。
    まさなかさんも知り合いなのですね。
    みんなによろしく。
    彼のこと、まだ仲間と話していないので、
    話したくて、書き込ませてもらいました。
    ありがとう。

  3. hiroumi より:


    まさなかさん
    よろしくお伝えください。
    俺は”Farewell”を聴いて再び冥福を祈ってました。
    2人の曲をもっと聴きたかったよ。
    榊いずみさん
    こちらこそ書き込みありがとうございます。
    最後に会ったのが本文中にも書いた榊さんの結婚式の時だったので、
    つい気になってブログを覗かせていただきました。
    まだ今でも受け入れたくない気持ちが大きくて、
    「元気〜?」なんてメールが来るんじゃないかって思ってしまいます。
    彼とはもっといろいろ話をしたかった。
    それも叶わなくなってしまって本当に残念です。

  4. まさなか より:


    行ってきました。
    すでに、神戸に向かう新幹線の車内の風景でさえ
    彼との思い出だらけであり、この喪失感はあまりにもつらく。
    そして、対面して花をたむけた時に完全に心が折れました。
    亡くなって初めて時間作って駆けつけて、
    であるなら、何故生きているうちにコレができなかったのか。
    こんな事ばかり考えてしまい…。
    それにしても本当にたくさんの友人が集まりましたよ。
    あいつなりにちゃんと心を残していったわけです。
    私はこれからも彼とともに目指した音を大事に
    追い続けていく事でしょう。
    それが何よりの供養と思います。
    hiroumiさん、いーちゃん、
    あいつの分も一生懸命生きてやろうぜ!!

  5. hiroumi より:


    まさなかさん
    おかえりなさい。
    花をたむけたというくだりを見て、
    事実を受け入れないといけないと思いました。
    そして、彼の分まで精一杯生きていかないとと強く思いました。
    ありがとう。

  6. hiroumi より:


    まさなかさん
    もしこれを見ていたら右のメニューにある「contact」より連絡をいただけないでしょうか?

  7. 絵樹 より:


    その気持ち…すごく分かります。
    私も…ついこの間、会社の同僚が亡くなりました。亡くなる前の日、楽しく話して…また、明日…と言って別れました。次の日、倒れたと聞き…翌日、亡くなったと聞きました。涙は出てくるのに…未だに信じられなくて…ひょっこり、「おはよう」って来て来るような気がしてなりません。
    …でも、事実なんです…よね…。
    しばらくは、受け入れ難く…受け入れなくてはいけない事。時間がかかりそうです。

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