ザ・フーのアルバムでは『トミー』が最も好きです

The Who / Tommy

The Who / Tommy

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ザ・フーのアルバムで俺が最も好きなのは”Tommy(トミー)”だ。1969年に発表されたこのアルバムはよく「ロック・オペラ」と言われるが、正直俺はその言い方にはピンとこないし、どうでもいい。っつうか何よ、ロックオペラって・・・と、高校生ぐらいの時から思っている。要はアルバム全体でひとつのストーリーを成すコンセプト・アルバムじゃないですか。まあもともとはピート・タウンゼントがそう言ったとか言わないとかだけど、俺はいいです、コンセプト・アルバムで。

ストーリーは「見えない、聴こえない、話せない」という三重苦をもったトミーという少年の話とはアルバムを聴く前から聞いてはいたけど、俺はてっきり生まれながらの三重苦なのかと思ってたんだけど、実はそうじゃないのね。それで最後の方では怪しい教祖まがいなものになってしまうという。何でも歌詞を一通り読んだのでは話の全体がぼやけていて、映画やミュージカルで脚本が補足されていくことでどうにかストーリーが明確になってきたらしいね。

俺はこのアルバムの何が好きかって、全体を通して何度か出てくるフレーズ。具体的には”Sparks”という曲や”See Me Feel Me”という歌いまわしが何度も形を変えて出てくるところかな。これがいかにもコンセプト・アルバムだというのを思わせてくれる。特に”Sparks”は1曲目の最後からチラッと出てくるしね。おっと、曲目を挙げておこうか。

01.Overture
02.It’s a Boy
03.1921
04.Amazing Journey
05.Sparks
06.The Hawker
07.Christmas
08.Cousin Kevin
09.The Acid Queen
10.Underture
11.Do You Think It’s Alright?
12.Fiddle About
13.Pinball Wizard
14.There’s a Doctor
15.Go to the Mirror!
16.Tommy Can You Hear Me?
17.Smash the Mirror
18.Sensation
19.Miracle Cure
20.Sally Simpson
21.I’m Free
22.Welcome
23.Tommy’s Holiday Camp
24.We’re Not Gonna Take It

前半10曲は”Sparks”をいろいろ展開させた感じで、11曲目以降から”See Me Feel Me”というフレーズが随所に出てきて、リリース当時はLP2枚組だったわけだけど、ディスクごとに話の流れが構成されているなという印象を受けるのです。このアルバムには”See Me Feel Me”というタイトルの曲は無いけど、後に”The Kids Are Alright”なんかでラストの”We’re Not Gonna Take It”の後半部分がその曲名で収録されていますね。

そしてザ・フーを好きな人にとってはどうなのかよくわからないけど、俺は”Sparks”ってインストゥルメンタルがとても好きなんですよね。ザ・フーの演奏のカッコいいところが凝縮されている感じがして。さらにワイト島か何かの映像で見たこの曲を演るピート・タウンゼントがものすごくカッコよくてさ。白い「つなぎ」を着てジャンプするところなんかなんなんだよって感じ。もっと言ってしまうと、”Sparks”は前作の”The Who Sell Out”のラストに入っている”Rael”って曲で初登場なんだよね。

そして”Tommy”は、それまでのブリティッシュビートというのだろうか、そんな雰囲気から一気に抜け出したザ・フーのアルバムだと思うんだよね。それまでは60年代のビートルズやローリング・ストーンズや、彼らに近い感じの他のグループと同じ括りに入れられたであろうところが、”Tommy”、”Live at Leeds”そして”Who’s Next”ではレッド・ツェッペリン等の60年代後半に出てきた当時の言葉で言うと「アート・ロック」連中と比べられるような存在になっていったようなそんな感じ。時代の空気を敏感に察知しながら変化したって位置づけにあるのが”Tommy”だと思っているんだよ俺は。