思い入れがあるほど主観的な記事には腹が立つのだろう

Fusion AOR Disc Guide

ちょっと久しぶりにこんな本を見てた。2001年ごろに刊行された「FUSION AOR DISC GUIDE」。フュージョンという音楽にはそれほど興味がないのだけど、楽器別(ギター、ベース、ドラム、ホーン)を始め、CTI、マイルス、ブリティッシュと様々な区分けをしている中で「Steely Dan」という項目があって、なんと40ページ以上をスティーリー・ダンで占めているから買ってしまったんだよね。

2人の著者が対談形式であれこれ語っているんだけど、確かこれが出た当時、スティーリー・ダンの某ファンサイトの掲示板では「ふざけたことばかり言ってる」的なネガティヴなコメントが多かった。そして、Amazonのレビューでも「お金の無駄」とか「言ってることが稚拙」とかそんなレビューが目に付く。

スティーリー・ダンを聴きこんでいる俺としては2人の言ってることに大いに頷けたし、すごく面白いと思ったんだよね。今読んでみてもまったく同じ気持ちだし。でも人によってはスティーリー・ダンも、そしてフュージョンという音楽も「神聖」なもので、それを馬鹿にされてると思ったのだろう。そういうふうに受け取れる部分もあるから。

だけど単なるデータだけや、盲目的に褒めているだけのディスクガイドなんて全然面白くないと思うんだけどな。ある程度主観は必要だと思うし、主観を抜くのであれば別に誰が書いたっていいだろう。この著者2人が相応しかったかどうかは別として。

俺はとりあえず、あまり興味の無かった分野に足を突っ込むきっかけにもなったし、スティーリー・ダンについても違う考え方なんかもあって参考になったけどね。そもそもさ、フュージョンってやっぱり軽視されがちなんだろうな。他にディスクガイドって少ない、もしくは無かったし。だから2001年当時にこれが出るときはみんな期待しちゃったんだよ。で、期待どおりのものではまったくなかったと。まあそれだけの話なんだけどさ。

タイトルとURLをコピーしました