メタル・マシン・ミュージックと私

Thurston Moore + Metal Machine Musc

Lou Reed / Metal Machine Music

写真左の人、誰だかわかります?ソニック・ユースのサーストン・ムーアの若かりし頃の写真です。ヘッドフォンをしたその顔は恍惚としているかのようですが、その手前に写っているレコード、恐らく抱えて聴いているのでしょうね。ルー・リードの”Metal Machine Music”です。頭おかしいよね、子供のうちにこれ聴いて喜んでるなんて(もちろんほめ言葉ですよ)。

“Metal Machine Music”は、ルー・リードが1975年にリリースした、当時アナログで2枚組のアルバム。片面1曲(?)で計4曲という収録で、すべてがギターとエフェクターみたいので作ったフィードバックノイズで占めているんですよ。メロディもなければ音階もない、ぎゅわぁぁぁぁぁぁぁってノイズが延々と続くのです。もちろん出た当時も今も賛否両論で、ルー・リードの諸作は好きだけどこれは嫌いって人もたいへん多いと思う。持っていても1度聴いておしまいって人もいるだろうね。そのぐらいノイズなわけです。

で、俺なんだけど、年に4回ぐらいは通して聴いているし、”Part IV”だけならもっと聴いているかな。最高ですよ。よくあるレビューなんかでは「4曲とも同じノイズが」みたいな書き方をしていて、書いている奴絶対に通して聴いてねえだろうって思うのです。ノイズの「タイプ」としては同じですが、”Part I”から”Part IV”まで通して聴けば微妙に変化していくし、同じようには聴こえないはず。特に”Part IV”は終りのほうで「転調」するからね。でもメロディがないから通して聴いてみんな同じと思うのは不思議ではないなと思う。

ノイズなんてよく聴けるなと思うかもしれませんが、少なくとも”Metal Machine Music”はアンビエントなノイズだと思っています。俺は通勤時間帯に電車の中で聴くことが多いですが、電車の走る音やアナウンス、周りの鬱陶しい人々の話し声や咳だのクシャミなんかを聞かされるよりは遥かに良いです。時には鼻歌で一緒に歌っちゃいますよ。

しかしだからと言って、このアルバムを人に勧めるつもりはまったくありません。これを気に入るなんてどうかしているし、もし他の人が上の俺のようにアンビエントだとか心地よいとか言ったりしたら「頭おかしいんじゃないの」って思うしね。俺も頭おかしいんだけどさ。良いんだから仕方ないだろ?

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