「昔好きだった」アピールは要りません

ジョージ・マイケル

そういえばジョージ・マイケルが亡くなってしまいましたねぇ。2016年はデヴィッド・ボウイに始まり、プリンス、そしてジョージ・マイケルと80年代のヒットチャートを賑わせた人たちがいなくなってしまって時の流れを感じます。俺はワム!もろくに聴いてこなかったし、ジョージ・マイケルのソロはほとんど知らないので、正直「ああ、残念だ」ぐらいの感情しか出てきませんでした。ハードコアなファンの方はさぞかし悲しいだろうなと心中を察します。

ことジョージ・マイケルに限らずですが、こういうニュースがあるとベスト盤あたりのセールスがぐっと上がったり、ストリーミングサービスでも聴かれる回数があがったりしますよね。ジョージ・マイケルなんかはSpotifyでの再生回数が3000%増って・・・。恐らくハードコアなファンだったらCDも持っているだろうし、あまりこういうサービスを利用するってことは無いだろうけど、死して初めてその名を知った人なんかはこの機会に聴いてみて好きになったなんて場合も出てくるだろうね。それは良いんだけど、いるじゃないですか「昔好きだったんだよねー」って言いだす奴、一体何なんだと。

俺の経験則から、「昔好きだったんだよねー」と語尾を延ばして言うような奴らってのは確かに今は聴いていない。別に件のミュージシャンだけでなく音楽自体を聴いていない。就職して家庭持って仕事や子育てが忙しくて、音楽を聴く余裕がなく、せいぜい会社での飲み会のカラオケのためにしょうもない流行り歌を覚えることに一生懸命になっている、そんな感じの人ばかりですね。しかも始末が悪いのが、「昔好きだったんだよねー」と語尾を延ばしていう奴らの多くは(そのミュージシャンのことは)詳しいと勘違いしていたりするわけです、20年以上も時間が止まっているにも関わらず。「ケアレス・ウイスパー懐かしい」とか言い出して、今の曲は知らなかったり。

俺が実感したのはデュラン・デュランでだった。デュラン・デュランは90年代にもヒットを出しているし、今でも(アンディ・テイラーを除く)オリジナル・メンバーでアルバムも出しているというのに、彼らが口にするのは80年代の曲だけ。昔好きだったのは構わないが、黙って昔の曲だけ聴いてろよと思ってしまうわけです。「昔好きだったんだよねー」とか言って今の自分をアピールされても会話にならんし、別にこれまでの活動をちゃんと知っている方が偉いとかそんなことを言うつもりもないけど、まだ「リオをよく聴いてた」と具体的に言う人や、今でも他の音楽を聴いている人のほうが会話しやすいんだよね、そういう人たちの方が今のも良いと言うと聴いてみようかな(実際に聴くかどうかは別として)と返してくれることが多いから。「昔好きだったんだよねー」アピールの人の多くは、彼らが聴いていた「その頃」が絶対的に良いと思っていることがほとんど。何度でも言うが話にならないし、昔の感覚で会話なんかしたくない。

とまあ、すべては俺の個人の経験によるものです。もちろん当てはまらない人もいるとは思うけどね。「昔好きだったんだよねー」アピールはもういいです。

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