ヴェルヴェット・アンダーグラウンド “Loaded 45周年盤” に向けて

The Velvet Underground / Loaded (Fully Version)
The Velvet Underground / Loaded

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの4作目となる”Loaded”が45周年のデラックス・エディションでリリースされる。すでに今までに1stの”The Velvet Underground & Nico”、セカンドの”White Light / White Heat”、そしてサードの”The Velvet Underground”がそれぞれ45周年エディションとして出ているが、欲しいと思いつつも買わずに今まできてしまった。そして今回の”Loaded”のデラックス盤はAmazonに注文した。今まで何気なく聴いていたが、俺はどうやらこのアルバムを”White Light / White Heat”の次に好きなようだということがわかった。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドというと、最初の3枚がやはり評価されていて、この”Loaded”は一段低いところにあるような気がする。このアルバムはルー・リードがバンドを脱退してからリリースされ、その際に収録されているルーの曲”Sweet Jane”、”Rock & Roll”そして”New Age”がレコード会社により勝手にいじられて短くされたとかでルーが抗議したなんて話もある。そしてアルバムの冒頭とラストにダグ・ユールのヴォーカル曲を配置することで、ルー・リード色を薄くしようという魂胆も見て取れる。そんなこともあったからか、このアルバムの存在感は薄かった。俺も20歳前後で最初の3枚を立て続けに聴いたが、このアルバムを聴いたのはもっとあとで1997年のことだった。

写真のCDがそれで、これは”Fully Loaded Version”という2枚組で、曲目は以下。
The Velvet Underground / Loaded (Fully Loaded Version)
Disc1
01. Who Loves The Sun
02. Sweet Jane (full-length version)
03. Rock & Roll (full-length version)
04. Cool It Down
05. New Age (long version)
06. Head Held High
07. Lonesome Cowboy Bill
08. I Found A Reason
09. Train Round The Bend
10. Oh! Sweet Nuthin’
11. Ride Into The Sun (demo)
12. Ocean (outtake)
13. I’m Sticking With You (outtake)
14. I Love You (demo)
15. Rock & Roll (alternate mix)
16. Head Held High (alternate mix)

Disc2
01. Who Loves The Sun (alternate mix)
02. Sweet Jane (early version)
03. Rock & Roll (demo)
04. Cool It Down (earty version)
05. New Age (full-length version)
06. Head Held High (earty version)
07. Lonesome Cowboy Bill (earty version)
08. I Found A Reason (demo)
09. Train Round The Bend (alternate mix)
10. Oh! Sweet Nuthin’ (earty version)
11. Ocean (demo)
12. I Love You (outtake)
13. Satellite Of Love (alternate demo)
14. Oh Gin (demo)
15. Walk And Talk (demo)
16. Sad Song (demo)
17. Love Makes You Feel Ten Feet Tall (demo)

ディスク1の10曲目までがオリジナルの”Loaded”で、このCDでは編集されて短縮バージョンだった”Sweet Jane”や”Rock & Roll”などが本来の長さになっているとうところが話題だった。そして他は初期テイクやデモで構成したオルタナティヴ・アルバムや、その他のアウトテイクなどを含んだ豪華な2枚組だ。

俺は当初、ルーが本来意図していた構成になったんだから、これを聴いておけば間違いないと思っていたのだけど、最近になってオリジナルの「不本意」な構成のアルバムも聴いておいた方がいいのではないかと思うようになった。何故かと言うと、Amazonなどでカスタマーレビューを見るともちろん絶賛しているものもあるが、中には「”Sweet Jane”や”Rock & Roll”だけのために買うアルバム」だとか、「前三作と雰囲気が違う」などの意見もあるのは、オリジナルのアルバムの10曲「だけ」を最初に聴くとそう感じるのかもしれないと思ったからだ。俺は最初からフルバージョンの”Rock & Roll”を聴いてしまったし、このアルバムの周辺で録音されたアウトテイクなどもまとめて聴いたから、”Loaded”というアルバムを拡大解釈していたのかもしれない。

しかしそうは言っても、俺は15年以上この”Fully Loaded Version”で慣れ親しんでしまい、近年では「バナナ」よりもよく聴くアルバムとなっている。先ほどから挙がっている”Sweet Jane”や”Rock & Roll”だけでなく、”Cool It Down”や”Head Held High”、”Train Round The Bend”も好きだし、ダグ・ユールのヴォーカルによる”Oh! Sweet Nuthin'”も名曲だと思っている。そしてアウトテイクでは”Ocean”やモーリン・タッカー唯一の出番(この時期彼女は産休していた)である”I’m Sticking With You”、後のルーのソロ・アルバムに入る曲の数々も良い。よく「ポップになったヴェルヴェッツ」みたいな言われ方をするけど、俺は「バナナ」からずっと変わっていないと思うし、他のバンドには決して真似ることができない独特なものを持っている。だから最初の方で「一段低いところにあるような気がする」と書いているがそれは客観的に見てそう書いただけで、そんなことは微塵も思っていない。

そんな”Loaded”が45周年エディションで出るっていうから、ついポチってしまったんだよね。これでまたオリジナル”Loaded”から離れてしまいそうだが、これはこれで楽しみなんだよね。アルバムのモノラル・バージョンも聴けるし、サラウンドでも聴けるとか。これはまた現物を入手したら書こうと思う。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド『Loaded』の発売45周年記念5CD+DVDボックスセットが10月発売 – amass

The Velvet Underground / Loaded: Re-Loaded 45th Anniversary Edition (amazon)

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