オリジナル・ラブ『LOVER MAN』

Original Love / LOVER MAN
Original Love / LOVER MAN

01.ラヴァーマン
02.ビッグサンキュー
03.サンシャイン日本海
04.今夜はおやすみ
05.フランケンシュタイン
06.クレイジアバウチュ
07.きりきり舞いのジャズ
08.四季と歌
09.99 粒の涙
10.希望のバネ
11.ウイスキーが、お好きでしょ/田島貴男

いやぁ、期待以上だ。もういちいち「傑作」とか「名盤」とか言いたくはないが、これは言いたくなる!オリジナル・ラブ17枚目となるアルバム、その名も『LOVER MAN』。そして田島自身も傑作ができたと言ってたような気がする(あまり発言などをチェックしていないのでうろ覚えだけど)。確かに田島がほぼ1人で作った『白熱』や『エレクトリックセクシー』にあった試行錯誤感ってものがない、思いきりの良いアルバムに仕上がっていると思った。

ファンならすでにご存じのとおり、タイトル曲をはじめ今回はベースに小松秀行、ドラムに佐野康夫という『風の歌を聴け』のリズム隊が参加している。田島貴男という男は、過去の焼き直しのようなことをしてこなかった(と俺は思っている)だけに、今回なぜこのふたりを呼んだのかが俺には謎だった。しかし、ナタリーに載っているインタビューにあっさりと書いてあった。

スタッフから「また『風の歌を聴け』みたいな音楽を新曲として聴きたいという人も多いんですよ」って言われて……少し前まではさ、ミュージシャンとしてのセコいプライドみたいなものが残っていて「そういうのはちょっと」と思ってたんだけど、今はもうどうでもいいというか(笑)。
田島貴男 ポップスにロマンを求めて – ナタリーより

そうか、ついに吹っ切れたのかと思ったよ。その後に「大人になったからかな」なんて言ってるけど、これはとてもよく分かるんだ。それまでストイックにまたは頑なに貫いてきた信念とか想いってのは、歳をとってくるとだんだんどうでもいいやって思ってくるもので、考え方も柔軟になってくるんだよね。恐らく、田島もこの2人とはもっと前からやりたかったのかも知れないが、彼の言うところの「ミュージシャンとしてのセコいプライド」が許さなかったのだろう。俺もいくつかの事柄についてはそういう時期なのか、考え方が変わってきているからとても共感できる。だからアイドルに曲を提供するし、「水曜歌謡祭」とか「Covers」で見る機会も多くなってきたのかと。これ、俺がまだ40前半とかそれ以下だったら絶対に許せないと思っていただろうな。田島も俺も歳をとったってことですよ、そういうこと。

そんなわけで、アルバム『LOVER MAN』は2度ほど聴いてみたけど、いろいろな意味で「抜け」のいいアルバムだと思った。04「今夜はおやすみ」と06「クレイジアバウチュ」が気に入っている。曲の細かい説明はもうめんどくさいので無し、きっと他に超絶細かく解説してくれる人がいると思うので(SさんとかPさんとか)。

余談だけど、01「ラヴァーマン」ってビージーズの”Subway”がモチーフになっているのかな?いえ、何でもありません、気にしないでください。「ラヴァーマン」もカッコいいわ!

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