QUEEN の低迷期を思い出す

クイーン

「TV-CM使用率No.1! 日本のお茶の間で最も愛されるバンドとは?」リッスンジャパンにこんな記事が載っていた。

もうタイトルだけで、クィーンのことを指しているのは大体の人が分かるだろう。ここ何年も、テレビのCMでクィーンの曲が聴こえてくる。本家からカバーまで。フレディ・マーキュリーが亡くなってから16年以上が過ぎているというのに、この人気は尋常じゃない。きっと今ではフレディ存命時よりも、死後になってからファンになった人のほうが多いんじゃないかと思う。

俺がクィーンを聴いたのは『グレイテスト・ヒッツ』で、1982年のこと。この時点でのクィーンの魅力がすべて詰まった素晴らしいアルバムで、俺はベスト盤という名のアルバムの中でも、これが今でも最高峰だと思っている。しかし、これに続く『ザ・ワークス』というアルバムがいけなかった。「レディオ・ガ・ガ」や「ブレイク・フリー」はヒットしたものの、当時中学生だった俺や友達は、かなりガッカリしていたと思う。『グレイテスト・ヒッツ』の方が良いと。

たぶん、当時ロック(もしくは洋楽)好きだった人の多くがそう思ったはず。『ア・カインド・オブ・マジック』のジャケットのダサさもあったし、みんな70年代のストイックな音を求めていたのに、なんか売れ線ポップな曲ばかりで辟易していた。『ザ・ミラクル』というアルバムが出た頃には「まだやってたの?」という声もちらほら。そして『イニュエンドウ』。「ボヘミアン・ラプソディ」のような壮大なタイトル曲が話題にはなったが、アルバム全体の暗い雰囲気がやはり受け入れられてなかった。そしてその数ヵ月後にフレディはこの世を去った・・・。

これはあくまでも俺の周りでの反応や当時の雑誌を読んで感じていたことだ。ただ確かにクィーン自体も80年代前半はかなりバンド内がゴタゴタしていて、作品へのモチベーションが低下していたそうだ。俺が知ったクィーンはそういう評価をされていたバンドだから、今みたいに手放しで絶賛されていることが時々不思議というか違和感に思う。伝説になると、良い部分ばかりが取り上げられるが、伝える側はそうじゃない部分もちゃんと話すべき。その方がバンドの歴史がもっとドラマチックで面白いじゃん。

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